意外と簡単! 電力会社を変更する方法と手続きの流れ
2016年4月の電力小売りの全面自由化以降、私たちは電力会社を自由に選べるようになっています。現在、大手電力会社(東京電力、関西電力、中部電力、東北電力、九州電力、中国電力、四国電力、北海道電力、北陸電力、沖縄電力の10社)と契約している場合には、新電力と呼ばれる新しい電力会社に契約先を変更すると、電気代が安くなる可能性があります。そこで今回は、電力会社を変更する際の流れについて説明していきます。
電力会社を変更する際に準備するもの
現在、大手電力会社の電気を使用している場合は、まず毎月届く検針票(電気使用のお知らせ)を手元に用意しておきましょう。電力会社を変更するときに必要な情報は、基本的にこの検針票に記載されています。その情報とは以下の3つです。
- 現在契約している電力会社名
- 現在契約している電力会社のお客様番号
- 供給地点特定番号(電気の使用場所を特定するための全国一律数字22桁の番号)
他には契約者名、電話番号、メールアドレスなどの個人情報が必要です。またクレジットカード払いや銀行口座引き落としを利用する場合はカードや口座の番号が必要になることもあります。
電力会社を変更する際の手続きの流れ
電力会社を変更する際は、現在はどこの電力会社でもインターネットで申し込みができます。ここではオンラインでの申し込みを前提に説明しますが、電話での申し込みやサービス窓口での申し込みも可能で、その場合も大まかな流れは同じです。
また、一戸建ての場合だけではなく、アパートやマンションなどの集合住宅も基本的には電力会社の変更が可能です。例外はマンション1棟全体で電力会社と高圧契約をする高圧一括受電契約を結んでいる場合などです。
では以下、電力会社を変更する際の手続きの流れを追っていきましょう。
1.切り替える電力会社の決定
電力会社を変更するなら今よりも電気代が安くならなければ意味がありません。基本的に、新電力は大手電力会社よりも安い電気料金を設定していますが、事前に現在の電気代との比較をしてどれくらい安くなりそうなのかを確認しておきましょう。
候補となる電力会社があるならそのサイトで現在の契約プランや電気代、電気使用量を入力してシミュレーションし、比較検討してプランを選びましょう。まだ気になる電力会社がないという場合は、住所から電力会社の電気代を比較できるサイトで調べたり、シミュレーションを試したりすることができます。その際も直近の検針票があれば、スムーズに必要情報を入力できます。
2.新しい電力会社への申し込み
電力会社と契約プランを決めたらオンラインで申込みをします。冒頭に述べたとおり、現在契約している電力会社名、お客様番号、供給地点特定番号などの必要情報を、指示どおりに申込みフォームへ入力していきます。
その際、電気料金や契約期間、契約解除条件などについて改めて注意書きが提示されるはずなので、今一度よく目を通しておきましょう。
なお、現在契約中の電力会社との解約手続きは、契約者の同意に基づいて、新しい切り替え先の電力会社が行います。そのため、契約者自身による連絡は不要です。
3.契約・切り替え日の決定
申し込みフォームの最後に契約・切り替え日の希望日を入力する箇所があるはずです。切り替え可能な最短の日付を選ぶことができることが多いでしょう。正式な契約・切り替え日については、あとからメールなどで連絡があります。
4.スマートメーターの設置工事(まだ未設置の場合)
スマートメーターとは、電気使用量をデジタルで計測する新しいタイプの電力メーターです。従来のアナログメーターからスマートメーターに取り替えると、データを遠隔地に送信でき、検針員による電力メーターチェック作業が必要なくなります。また、各家庭の30分ごとの電気の使用量データを確認でき、電力会社によってはその情報を契約者向けに公開しています。
大手電力会社でも順次スマートメーターへの取り替えを行っているため、すでに自宅のメーターはスマートメーターになっているかもしれません。もしも古いメーターのままなら、電力会社を切り替える際にスマートメーターに切り替えられます。
ちなみにスマートメーターの設置作業は大手電力会社が中心になって行っていますが、作業代金などは原則としてかかりません。設置の際の立ち会いも不要です。
5.利用開始
切り替え手続きの申し込みが完了すれば、あとは新しい電力会社を利用できるようになるのを待つだけです。申し込みから利用開始までの期間は混雑状況にもよりますが、スマートメーター未設置の場合は2週間程度かかるでしょう。スマートメーターが設置済みなら4~5日で利用できる場合もあるようです。切り替えにかかる費用も特に必要ありません。
利用開始時には新しい電力会社からお知らせのメールやはがきが届き、電気使用量や明細を確認できるWebページについても案内があります。請求内容や使用量についてのお知らせは基本的にWebサービスで行われ、検針票や書面での請求書を希望した場合は有料になることが多いでしょう。
電力会社を切り替える手続きは意外と簡単です。電力会社を切り替えることで電気代を節約できる可能性があります。電気代を節約したいと考えているなら、自分に合った電力会社やプランを見つけてみてはいかがでしょうか。