サスティナブルの次は「リジェネレーション」!?サスティナブルな考え方にリジェネレーションをプラスしよう!
リジェネレーションって何?
リジェネレーションとは「再生」という意味を持つ言葉です。「サスティナブル」という言葉が世に広まっている中、欧米を発端にサスティナブルの先を行く概念として注目されています。
サスティナブルからリジェネレーションへ
「サスティナブル」とは直訳すると「持続可能な」という意味を持つ言葉です。
なぜサスティナブルの次は、リジェネレーションだと言われているのか、そこにはサスティナビリティな考え方への限界が見えてきているからなのです。すでに現段階で気候や、環境問題、生態系の自然資本が回復不可能なまでの危機的状態とも言えます。全世界の国や、全ての企業、個人個人がサスティナブルを意識し行動したとしても、地球はすぐに修復できるものではないのです。
もちろん持続可能という概念に基づいた行動も必要不可欠なのですが、それにプラス地球環境を「再生」していくという考え方が必要なのです。これまでの「持続可能な」考え方としては、「いかに二酸化炭素の排出を減らすか」、「いかに海や陸を汚さないか」「いかにプラスティックを出さないようにするのか」というような、マイナスなことを減らすことが中心でした。
これからの時代は地球環境を再生しながら、プラスのことを意図的に生み出していくことが重要になります。プラスのことを生み出していかなくては、持続することすら難しいと考えられるようになったため、「サスティナブル」から「リジェネレーション」へといった考えが注目されているのです。
リジェネレーション×農業
リジェネラティブ農業とは「環境再生型農業」とも言われています
。農地の土壌をただ健康的に保つのではなく、土壌を修復、改善しながら自然環境の再生に繋げることを目指す農業のことです。リジェネラティブ農業に期待できる効果としては、健康な土壌は多くの二酸化炭素を隔離することができるため、気候変動に対して有効的です。工業的、有害な化学物質を使った栽培は世界中の温室効果ガス排出量の四分の一を占めています。私たちが生きる上で必要不可欠な農業は根本的な改革が必要なのです。健全な土壌が作られれば高品質で栄養価の高い食糧生産に繋がります。土壌や生態系を豊かにするということは気候変動に有効的なだけではなく、消費者の私たちや経済にも良い影響を及ぼすと言えるでしょう。
リジェネレーション×ツーリズム
サスティナブルツーリズムという言葉のその先にあるのが「リジェネラティブツーリズム」です。リジェネラティブツーリズムは地域資源や、観光地域を現状から回復させより良い地域へと再生することです。ただ楽しいだけの旅行ではなく、旅行先に行ったことによって、行った場所が良くなる、良いものに再生することに関われるといった考え方が主流になれば観光が地域のよりよい未来へと発展することに繋がります。
リジェネレーション×企業
グッチではアイテムの素材に今まで使用していたウールやレザーの生産地を環境再生型へ転換すると発表しました。オーガニック素材の使用を増やし自然への影響を最小限にしています。クリーンなエネルギー源である再生可能エネルギーへの転換をして環境への影響を引き起こさないための事業展開なども行っています。
バスボムやソープなどを販売しているLUSHは、コストはかかるが何十年先の未来を作り、守ることに目を向け、「リジェネラティブ・バイイング」という独自の調達活動を行っています。その一つとして「イヌワシ・プロジェクト」があります。森の生態系において食物連鎖のトップにいるイヌワシは豊かな森の象徴として知られています。しかし現在日本では500頭しか生息しない絶滅危惧種なのです。適切な管理がされていない木が密集している人工林では森に暮らすイヌワシ以外の動植物も生きづらい環境になり、土砂災害なども起こりやすくなっています。そこでプロジェクトを立ち上げ、生体多様性豊かな生態系を復元させる活動を行っています。
私たちができることは?個人でもすぐに行動できること
一番取り組みやすい例としては、リジェネレーションを実践する企業を応援することです。普段から買い物するものブランドや物の背景を考え、知り、リジェネレーションを実践する企業のものに変えたりすることも、リジェネレーションな行動といえます。生ごみをコンポストし植物や土にとってプラスになる堆肥へと変えることもリジェネレーションな行動です。サスティナブルな考え方や行動はもちろん、プラスでリジェネレーションというキーワードを考えながら生活すると、より良い未来へと変えることができるでしょう。