どう比較する? 失敗しない住宅ローンの選び方
銀行をはじめとする様々な金融機関が住宅ローンを提供しています。また金利にも変動金利や固定金利といった異なるタイプがあります。住宅ローンは何を基準にして選べばいいのか、そしてあなたにはどんな住宅ローンが向いているのか、失敗しない住宅ローンの選び方について解説します。
借入先で住宅ローンを選ぶ
住宅ローンの借入先は銀行だけではありません。まずはそれぞれの借入先の特徴を知っておきましょう。
民間ローン
銀行が提供する住宅ローンも民間ローンの一種です。同じ銀行でも大手都市銀行、地方銀行、ネット銀行などがあります。大手銀行とネット銀行は低金利ですが、審査は厳しく、安定した収入のある人でなければ利用できない可能性があります。地方銀行はやや金利が高いものの、地方に住んでいる人にとっては利用しやすく審査も通りやすい傾向があります。
他には生命保険会社、農協(JA)、ノンバンク(住宅ローン専門会社やクレジットカード会社)も住宅ローンを扱っています。ノンバンクの住宅ローンは最も審査が甘い分、金利は高く、銀行の5~6倍ということも珍しくありません。ただし、同じノンバンクでも比較的安い金利を設定しているところもあるので、自分で調べて比較検討することを厭わない人に向いています。
フラット35
フラット35は住宅金融支援機構が民間の金融機関と提携して貸し出す住宅ローンです。銀行、ネット銀行、ノンバンクもフラット35を提供しています。実際にローンを提供するのは金融機関なので、金利や手数料などは金融機関によって異なります。
フラット35の特徴は全期間固定金利であることです。また団体信用生命保険(団信)に加入しなくても(加入できなくても)借入が可能です。
公的ローン
公的ローンの代表は、勤務先の会社で財形貯蓄を1年以上続け、貯蓄残高が50万円以上あるなどの要件を満たす人を対象とした「財形住宅融資」です。財形貯蓄残高の10倍(最高4,000万円)の範囲内で、購入費用の80%まで借りることができます。財形貯蓄制度を利用している人なら検討対象になります。
金利タイプで住宅ローンを選ぶ
金利タイプには「変動金利型」「全期間固定金利型」「固定金利選択型」の主に3種類があります。
変動金利型は返済期間中、定期的に金利が見直されます。そのため金利変動の影響をストレートに受けることなります。借入当初の金利は低く、将来、金利が下がれば返済額が減りますが、金利が上がれば返済額は増えます。そのため借入額が少なく返済期間が短い人、金利の動向を細かくチェックできる人に向いています。
全期間固定金利は返済額が変わらず、総返済額が最初から確定しています。そのため長期のライフプランが立てやすいとも言えます。借入額が多く返済期間が長期に渡り、将来の金利の動向に振り回されるたくないという人に向いています。
固定金利選択は借り入れ当初から2年、3年、5年、10年、15年などの一定期間中だけ金利が固定されます。変動金利と全期間固定金利の中間的な位置づけの金利タイプです。
返済方式で住宅ローンを選ぶ
返済方式味は「元利均等返済」と「元金均等返済」の2種類があります。
元利均等返済は毎月の支払額が決まっていて最後まで変わらない返済方式です。住宅ローンでは一般的な方式で、生活設計が立てやすいのがメリットです。返済当初は利息が返済額の大部分を占めるため、元金部分の減り方は遅くなります。
元金均等返済は毎回一定額の元金を返済していく方式です。元金部分を返済期間で均等に割り、残高に応じた利息をプラスして支払う返済方法とも言えます。最初の支払額は多いものの、返済が進むにつれ支払額が少なくなっていきます。すでに教育費のピークが過ぎているなど、現在の家計にゆとりがある人はこちらも選択肢に入るでしょう。
キャンペーンや特典で住宅ローンを選ぶ
住宅ローンを提供する銀行などは時期によってキャンペーンを展開したり、特典を用意したりすることがあります。
例えば一定期間中に申し込んだ人や、申し込みと同時に口座を開設した人を対象に住宅ローンの金利を引き下げるキャンペーンがそれです。また、開設した預金の金利を上げる特典や、1万円程度のキャッシュバックが用意されていることもあります。最近は住宅ローン契約者限定で提携ポイントサービスのポイントが付与されるケースも見られます。
借入先や金利タイプをしっかりと選ぶことも大切ですが、こうしたキャンペーンや特典についても調べ、住宅ローンを選ぶ際の一要素に加えてみるのもいいのではないでしょうか。
住宅ローンを選ぶときの注意点
住宅ローンを選ぶときに最も大事なのは、「確実に返済していけるローン」なのかどうかを見きわめることです。その目安となるのは返済比率(返済負担率)です。
フラット35では、年収400万円未満なら返済比率30%以下、400万円以上なら35%以下が審査に通る基準となっています。しかし一般的に、無理なく返済していくための返済比率は20~25%と言われています。理想は20%以内で、この範囲内なら将来大きなアクシデントがない限り、住宅ローンが破綻することはないはずです。
返済比率は、
年間返済額÷額面年収×100
という計算式で求めることができます。
仮に額面年収が600万円の人が返済比率20%と設定すると、年間返済額は120万円以内、月々の返済額は10万円以内が目安となります。住宅ローン選びの際の参考にしてください。
住宅ローンも商品の一つであり、商品ごとに様々な特徴があります。返済額、金利、借りやすさ、返済の仕方などを比較検討し、自分に最も合った住宅ローンを選んでください。