理想の家を手に入れよう! 後悔しない注文住宅の間取りの決め方

注文住宅において、住む人自身のアイデアを最もストレートに形にできるのが「間取り」です。とはいっても、どのように間取りを考えればいいのかわからない、一生に一度の買い物だから失敗だけはしたくない、と考える人も多いのではないでしょうか。そこで後悔しない注文住宅の間取りの決め方を基本から解説します。

注文住宅の間取りを決める前に行いたい準備

まず、間取りを決める作業に入る前に行っておきたい準備についてです。まずは、次の2つのことを行っておきましょう。

周辺環境を把握する

土地の坪数や形状はもちろん、その土地の周辺環境も間取りを決めるための大きな要素となります。大きな道路に面している、隣家が近い、周囲に高い建物がある、自然に囲まれている、眺望がいい、などなど周辺環境によって条件が変わってきます。外部からの視線や騒音をどう防ぐか、あるいは逆に外部に対して開けた構造にするかなど周囲に合わせた基本方針を決めて、それから間取りを考えることになるでしょう。

逆に言えば、こだわりたいコンセプトがあるのなら、それにマッチした周辺環境の土地を探すことが先決となります。

優先したい事柄を決める

次に、これから建てる住宅で暮らす家族間で要望を出し合い、優先順位を決めていきます。基本的には家族全員が共通して必要だと思うことが最優先となるでしょう。

実際に家を建てようとしている人たちの意見では、大容量の収納や、快適な生活動線を実現できる部屋配置といった点が優先事項になることが多いようです。そのあとに各人の部屋またはよく使う部屋の確保などが続きます。

いずれにしろ、ここは家族同士での話し合いが必要です。意見がぶつかることもあるかもしれませんが、最も大切な準備だと言えるでしょう。

注文住宅の間取りを決める手順

基本方針と優先事項が固まると、いよいよ具体的に間取りを決めていきます。そのときは以下のような手順で進めるのが一般的です。

おおまかな部屋の配置を考えてみる

間取りは全体の大まかな配置から決めていくのがコツです。各スペースを用途別に分類し、位置関係を考えつつ配置することを「ゾーニング」と呼びます。玄関、リビング、ダイニング、キッチン、お風呂とトイレ、寝室、個室、収納、階段や廊下……など必要な部屋や場所をどのように配置するか、おおまかでいいので紙に書いてみましょう。順番としては、最初に玄関の位置を決め、その後にリビングなど不可欠な部屋の位置を考えていくのが一般的です。

ダイニング、キッチン、リビングを近くに配する、というのはほとんどの家が採用しています。同じように、お風呂、トイレ、洗面化粧台、洗濯機置場などの水回り関係もある程度近い位置に集約した方が配管の無駄を省ける、トイレは全員が行きやすく排水音が響きにくい場所に作る、玄関からはプライベート空間が見えないようにする、西日の入る西側には大きな窓を作らない……といったセオリーもあるので参考にしてください。

一方で、玄関の近くにウォークインクローゼットを作る、2階にお風呂を作る……といった意外に便利に使えるオリジナリティある間取りを考えるのも注文住宅の醍醐味です。

生活動線をシミュレーションする

おおまかな配置案が決まったら、家族が移動する生活動線をシミュレーションして快適に過ごせるかどうか検証してみましょう。家族それぞれの1日の行動パターンを想像してみるとわかりやすいはずです。とくに朝は家族それぞれが忙しく準備をするので、なるべく渋滞を起こさないような動線作りを心がけましょう。

家事のための動線を確保することも重要です。炊事、洗濯、育児などを行うときに移動距離が少なくスムーズに動けるような工夫をしてみてください。例えば行き止まりを少なくし、回遊可能な動線を多く作ると限られた空間内が動きやすくなります。

家具家電の配置を検討する

所有している、あるいはこれから購入する予定の家具や家電品がきちんと収まるかどうかどうかも確認しましょう。

家具や冷蔵庫・洗濯機など大きな家電品は、配置場所とサイズを設計担当者にしっかりと伝えて図面に書き込んでおいてもらうとトラブルなく確実に配置できます。また、家電品の数に合わせてコンセントの位置も考えましょう。コンセントの数は多めに用意しておくのが無難です。

間取りを決めるときに注意したいポイント

最終的に間取りを確定していく段階になったら、以下の点もチェックしていきましょう。

プライベートが確保されるか

家族それぞれのプライベートが確保されるかを改めて確認してください。子供が複数人いる場合は、小さいうちは同じ部屋で、大きくなったら部屋を2つに仕切れる構造にする、といったアイデアも取り入れてみましょう。

日当たりや風通しは問題ないか

ダイニングなど家族全員で共有する部屋、長時間過ごす部屋は最も日当たりがよく、風もよく通る位置にレイアウトしたいところです。もちろん、それ以外の部屋も日当たりや風通しに問題がないかを確認しておきましょう。

想定している家具家電は搬入できるか

家具や家電は部屋に収まるというだけではなく、きちんと搬入できることも確認しておくべきです。ピアノなどは窓からしか搬入できない場合もあります。2階の場合はクレーンなどを使うことになるかもしれません。

ライフステージによる変化を考慮しているか

将来のことを考えた間取りであるかどうかも外せない要素です。子供部屋をどうするかといったことや、親の介護、自分たちが高齢化したときのことも想定した間取りを考えましょう。例えば当面は納戸として使用するやや大きめな部屋が1つあれば、将来その部屋を別の用途に使うこともできます。

間取りを考えるのは何かと手間がかかって大変ですが、同時に楽しい作業でもあります。自分たちのライフスタイルにマッチし、将来に渡って快適に暮らしていける間取りを考えましょう。