購入前に知っておくべき一戸建て購入にかかる税金の種類

念願の一戸建てを購入する際、気になるのは建物や土地、内部設備にかかる費用ですが、同時に税金の存在も考慮に入れておく必要があります。現実的な資金計画立案のために、一戸建て購入にあたって必要な税金について知識を深めていきましょう。

一戸建ての購入時(契約や決済時)に支払う税金

一戸建てには「購入時に支払う」税金と、「購入後に支払う税金」の2種類があります。まずは、購入時に支払う税金について、詳しくみていきましょう。

印紙税

住宅購入の際には、契約書を交わします。記載される金額が5万円以上の場合は、印紙を貼付することが義務付けられており、その上に押印するかたちで税金を納めます。

例えば「購入した土地に注文住宅を建ててもらい、ローンで支払う」という場合は「不動産売買契約書」「建設工事請負契約書」そして「金銭消費貸借契約証書」の3枚が必要となり、それぞれに印紙を貼付しなくてはなりません。印紙税額は、契約書に記載された金額によって変動します。例えば「1,500万円の土地購入、2,000万円の工事費をローンで支払う」という場合、合計で6万円の印紙税が必要です。ただし、時期によっては軽減税率が適用されることがあります。

消費税

現在の日本では、商品を購入する際に消費税が発生します。住宅購入も例外ではなく「建物の代金(または工事費)」と「不動産会社への仲介手数料」のそれぞれに、消費税が加算されます(土地購入は非課税)。
消費税は2019年10月に8%から10%へ引き上げられる予定。例えば工事費が2,000万円ならその消費税は200万円と多額ですので、購入費用の予算にきちんと入れておく必要があります。

登録免許税

一戸建て購入の際には所有権登記が必要となりますが、その際に課せられるのが、登録免許税。自治体が個別に決める「固定資産税評価額」をもとに計算され、土地と建物それぞれに課税されます。また、住宅ローンの申し込み時にも、抵当権登記に登録免許税が必要となります。こちらは債権額をもとに計算され、土地と建物それぞれに課税されます。
ただし、時期や条件によって軽減税率が適用されることがあります。

一戸建ての購入後に支払う税金

次に、購入後に支払う税金について、詳しくみていきましょう。

不動産取得税

一戸建てを購入した人や、贈与された人に課せられる税金です。住宅の属する自治体が個別に決める「固定資産税評価額」に4%の税率をかけるのが、不動産取得税の算出法です。時期や条件によって、軽減税率が適用されることがあります。
こちらの税金については不動産取得後のタイミングで、都道府県から納税通知書が送付されますが、納税義務は1回のみです。

固定資産税

土地と建物のそれぞれに、毎年課せられる税金です。その課税額は、エリアの自治体が個別に決める「固定資産税評価額」に税率をかけるかたちで、算出されます。
なお固定資産税評価額の目安ですが、土地の場合は時価の70%程度、新築の建物の場合は工事費用の50~60%程度とされています。また、標準税率は1.4%ですが、時期や条件により軽減税率が適用されます。一括はもちろん、年4回までの分割納付が可能となっています。

都市計画税

一戸建ての購入後、固定資産税と共に、納付義務が毎年発生します(ただし「都市計画法に基づく市街化区域内に所在する土地と建物」でなければ、課税対象となりません)。
課税額は、住宅のある自治体が3年ごとに見直す「固定資産税評価額」に税率をかけるかたちで、算出されます。その税率は0.2~0.3%程度で、自治体により異なります。
なお徴収された都市計画税は、都市計画事業を推進するために役立てられます。

軽減措置が受けられる税金はある?

ここまでの内容を一読し「一戸建てを購入することで、こんなに多くの税金が発生するのか…」と、ため息をつきたくなった人もいるかもしれません。しかし、その多くで軽減措置が受けられます。以下でその詳細を紹介しましょう。

印紙税の軽減

「住宅購入の際に必要な契約書類は3枚」と前述しましたが、その中から「金銭消費貸借契約証書」を除いた「不動産売買契約書」「建設工事請負契約書」に添付する印紙額に関しては、現在軽減率50%という措置が適用されています(2020年3月31日まで)。
例えば「1,500万円の土地購入、2,000万円の工事費を全額ローンで支払う」という場合、通常は合計6万円の印紙税が必要ですが、現在は4万円となります。

登録免許税の軽減

登録免許税は、税率軽減が行なわれており、土地の場合は面積などに関係なく適用されます(2021年3月31日まで)。建物の場合は、住宅の床面積50㎡以上であることなどいくつかの要件を満たす必要があります(2020年3月31日まで)。軽減税率は土地が1.5 %程度、建物は0.1~0.3%程度。長期優良住宅/低炭素住宅の条件を満たしていれば、さらなる特例も適用されます。

不動産取得税の軽減

床面積が50㎡以上240㎡以下」「取得者の居住、またはセカンドハウス用不動産」「新耐震基準に適合」という要件を満たしていれば、最大で1,300万円の不動産取得税が控除の対象になります。

固定資産税の軽減

物件購入後に毎年課税されることとなる固定資産税ですが、床面積が50㎡以上240㎡以下の新築一戸建てに限り、購入後3年間の税額が半額となります(2020年3月31日まで)。また長期優良住宅と認定された場合には、2年延長されます。

納税は国民の義務ですので、住宅購入にかかる税金についても必ず納付しなくてはなりません。資金が足りず期限までに納付できなかった場合、延滞税が課せれるため注意が必要です。一戸建て購入計画を立てる際には、税金についてしっかりと把握しておきましょう。