どっちを選ぶべき? 住宅ローンの固定金利と変動金利
マイホームを購入して住宅ローンを組む際、誰もが頭を悩ませるのが金利タイプの選択です。「全期間固定型」と「変動金利型」、その中間とも言える「固定期間選択型」。どれを選ぶかによって、その後のマネープランやライフプランが大きく変わる可能性もあります。それぞれの特徴や、メリット・デメリットを確認しながら、自分に合うタイプを探していきましょう。
住宅ローンの固定金利型と変動金利型の違い
金利タイプは大きく分けて「変動金利型」と「固定金利型」の2種類があります。まずはそれぞれの違いについて解説します。
固定金利型とは
固定金利型とはあらかじめ金利が固定されているタイプのローンのことで、「全期間固定型」と「固定期間選択型」に分けられます。
「全期間固定型」では、借り入れ時に確定した金利を返済終了まで払い続けます。世の中の金利水準が上下しても影響を受けることはなく、返済終了まで金利は変わりません。
「固定期間選択型」は、一定期間の金利が固定されるローンです。契約時に借り手が3年、5年、10年、15年などの固定金利期間を選択します。全期間固定型と比べて金利が低く、また、選ぶ期間が短いほど金利が下がるのが一般的で、期間内は金利が変わりません。固定期間終了後は自動的に「変動金利型」に切り替わりますが、再び固定期間を選択することも可能です。
変動金利型とは
変動金利型は、返済期間中に金利が変わるタイプのローンです。年に2回、4月と10月に金利が見直され、それに伴い返済額における元本と利息の割合が変動。5年ごとに毎月返済額の見直しも行われます。ほとんどの金融機関で、借入時の金利が一番低く設定されているのがこのタイプです。
固定金利型のメリット・デメリット
固定金利型の住宅ローンを選択した場合、どのようなメリットとデメリットが考えられるのでしょうか?
固定金利型のメリット
返済期間中の金利が固定されているので、世の中の金利が上昇しても影響を受けないという安心感があります。特に「全期間固定型」は、借り入れをした時点で毎月の返済額と総返済額が決定するため、将来的なマネープランが立てやすいのも魅力です。
「固定期間選択型」は、一般的に「全期間固定型」よりも金利が低く設定されており、なおかつ選択した期間内は金利が上昇しても影響を受けません。期間終了後は変動金利型と固定期間選択型を選ぶことができるので、その時点で金利が下がっていれば最初の借り入れ時よりも低金利で借りることも可能になります。
固定金利型のデメリット
変動金利型に比べて金利が高めです。さらに「全期間固定型」の場合、金利が高い時に借り入れを始めると、返済終了まで高金利が続いてしまうというリスクもあります。
「固定金利選択型」は「全期間固定型」に比べると金利が低くお得感はありますが、固定期間終了後に金利が上昇していると返済額が増えてしまう場合も。また、「全期間固定型」のように借り入れを始めた時点で総返済額を知ることはできないため、長期に渡るマネープランは立てられません。
変動金利型のメリット・デメリット
変動金利型の住宅ローンを選択した場合、どのようなメリットとデメリットが考えられるのでしょうか?
変動金利型のメリット
なんといっても、固定金利型に比べて金利が低く設定されている点が最大のメリット。そこからさらに金利が下がれば返済額も下がるため、金利が下落傾向にあれば非常にお得な選択と言えます。また、金利が低い分、元本も減りも早くなるため、効率よく返済できる点も魅力です。
変動金利型のデメリット
変動金利型は金利に応じて返済額が変わるため、将来的に金利が上昇すると返済額が増えてしまいます。返済額は5年間固定となっていますが、金利の見直しは年に2回行われており、その間に金利が上昇した場合は返済額に占める元本の割合で調整されます。つまり、同じ金額を返済していても、元本が減りづらくなるという事態が起こるのです。5年ごとに行われる返済額の見直しでは、それ以前の1.25倍を超えない決まりがあるものの、やはり金利が上昇していれば元本はなかなか減らず、利息ばかりを払い続けることに……。
どっちを選ぶべき? 固定金利と変動金利の選び方
金利の動向に振り回されることなく、無理のない返済をしたい方には「全期間固定型」がおすすめです。新婚、または子どもが生まれたばかりで先々の計画が立てられないという状況でも、「全期間固定型」ならば月々の返済額や総返済額が最初から決まっているため、焦らずじっくりとマネープランが立てられます。
出産や子どもの進学など支出が増える時期を控え“落ち着くまでは金利を抑えたい”と考えている方は「固定金利期間選択型」を選ぶと良いでしょう。例えば子どもが中学生の時に住宅ローンを組む際に、10年間の固定金利を選択。すると、高校受験~大学卒業という出費がかさむ時期を、「全期間固定型」よりも低金利かつ固定の返済額で乗り切ることができます。ある程度の将来設計が決まっている方に適したタイプとも言えそうです。
「変動金利型」は、共働きで収支が安定している方に向いています。このタイプでは、低金利のうちに繰り上げ返済をする、高金利の際は借り換えを考えるなど、金利の上下に応じた柔軟な対応が不可欠です。いざという時の判断力と、資金的な余裕が求められます。
住宅ローンの金利タイプにはそれぞれにメリットとデメリットがあり、一概に「どっちがお得」と判断することはできません。マイホームの購入にあたり、住宅ローンの金利で迷ったときは、上記を参考に自分たちの暮らしや考え方に合った返済の形を見つけてくださいね。