最終的にどちらが良い? 一戸建てとマンションのランニングコストの比較
マイホームの購入を考えた時、一戸建てにするかマンションにするか悩む方も多いのではないでしょうか。個人の価値観によって何を重視するか様々ですが、中でもコストは多くの人が気になるポイントです。購入にかかる初期費用だけでなく、長い目で見た時のランニングコストは一戸建てとマンションでどう違うのでしょうか。ここでは、マイホーム購入におけるランニングコストについて、一戸建てとマンションとで比較していきます。
住宅購入時に考えるべきランニングコストとは
マイホームの購入というのは、人生のなかでも特に大きな買い物のひとつです。数千万円もの金額を一括で支払うという方はごく稀でしょうから、多くの方が公的金融機関でローンを組んで、何十年にもわたって毎月返済をしていくことになります。ここで気をつけなくてはいけないのが、「マイホーム購入にかかるお金は家と土地のお金だけではない」ということ。
例えば、「これまで家賃10万円の賃貸マンションに住んでいて生活ができていたし、ローン返済も月々このくらいで大丈夫だろう」と思っているのだとしたら、その考えは大変危険でしょう。なぜなら、マンションか一戸建てかに関わらず、マイホームを購入して住み始めたら、光熱費、メンテナンス費用、固定資産税、保険代といった維持管理のための「ランニングコスト」が発生するからです。そして恐ろしいことに、マイホーム購入の初期費用(土地と建物代)は、この先60年間住み続けた場合にかかるコストの25%程度に過ぎません。マイホームにおけるランニングコストというのは、それほどまでに大きな割合を占めているのです。
マイホーム購入というと、購入にかかる初期費用にばかり気を取られてしまいがちですが、それに加えて「ランニングコストを支払い続けられるのか」とういうことを考えることが大切です。ランニングコストを想定せずにマイホームを購入してしまった結果、月々の支払いが苦しくなってしまって家を手放してしまうケースも少なくないのです。
一戸建てとマンションのランニングコストの比較
マイホームにかかる生涯コストのなかで大部分を占める「ランニングコスト」。毎月のローン返済以外にかかるコストですから、マイホームを購入した後にはどのくらいの費用がかかるのかをきちんと理解しておく必要があります。
では、実際に一戸建てとマンションのランニングコストを比べてみましょう。マイホーム購入後にかかるランニングコストは主に以下の4つです。それぞれにどのくらいのコストがかかるのかを詳しく見ていきましょう。
維持管理費
維持管理費というのはマイホームの修繕やメンテナンスにかかる費用のことです。マンションの場合は管理費、修繕積立金として毎月平均で3万円ほどの支払いが発生します。1年に換算すると36万円、10年後には360万円です。一方一戸建ての場合、家賃としての管理費や修繕積立金の支払いは不要のため、月々の維持管理費はマンションよりも割安です。
ただし、一戸建てでも長く住めばメンテナンスは必要になります。一般的には10年程度で外壁塗装などの修繕が必要になるため、その際にはまとまった出費が必要になるでしょう。手配や計画も自ら行わないといけないため、その分手間はかかります。とはいえ、10年ごとに必要な修繕費は一戸建ての場合250万円ほどと言われているため、コストで比較するのであれば、マンションの管理費や修繕積立金を10年間支払うよりもコストを抑えることができるでしょう。
駐車場代
マンションで駐車場を利用する場合、毎月駐車場代を支払わなくてはいけません。駐車場代の平均は地方で5,000円〜1万円、都心部では2万円以上かかることも。一方、一戸建ての場合は購入した敷地内に駐車場を作ってしまえば、毎月駐車場を借りる必要はないためコストはかかりません。
固定資産税
マイホーム購入後のランニングコストの代表格が「固定資産税」です。1月1日時点で不動産を所有している人に課税される地方税で、マンションでも一戸建てでも納税しなくてはいけません。一般的には、一戸建てと比べてマンションの方が建物に対する評価額が高いため、固定資産税の負担も一戸建てと比べて負担が大きくなります。
火災保険料、地震保険料
自然災害に備えるための保険は、マイホームを購入したら必ず入る必要があります。火災保険の相場はマンションで年間1.5〜2万円、一戸建てで年間2〜3万円、地震保険の相場は一戸建てで年間2万円程度です。マンションの地震保険は共有分と専有部分とで分かれていて、共有部分は管理組合が一括で加入しているのが一般的で、個人で支払うのは専有部分のみ、平均で5千円ほどになります。
いかがでしたか?上記で紹介した内容からも分かるように、ランニングコストという観点で比較すると、一戸建てよりもマンションの方が割高になります。購入資金のほか、購入後にどのくらいのランニングコストがかかるのか、まずは把握したうえで支払いできるかどうかが重要です。もしマイホームの購入で一戸建てかマンションか迷った時には、上記の内容を参考にしてみてください。