今日から実践できる! エアコンの電気代を節約するコツ

夏や冬になると一気に電気代が高くなることに頭を悩ませている人もいるのではないでしょうか。その原因の多くはエアコンの冷房や暖房です。電気代の中でも大きな金額を占めるエアコンの電気代。少しでも安くするにはどうすればいいのか、節約のコツをご紹介します。

エアコンの消費電力や電気代はどのくらい?

家庭で使う電気の中で、エアコンが占める割合はどれくらいなのでしょうか。データとしては少し古いものの、資源エネルギー庁の「平成22年度省エネルギー政策分析調査事業『家庭におけるエネルギー消費実態について』」という資料が参考になります。2009年の家庭部門における世帯あたりの電気使用量の機器別内訳を示したものです。

資料によると、家庭の中で最も多く電気を使用しているのは電気冷蔵庫で14.2%です。続いて、照明器具13.4%、テレビ8.9%、エアコン7.4%、電気温水器5.4%、エコキュート3.8%、電気便座3.7%、食器洗い乾燥機3.7%、電気ポット3.2%、電子計算機2.5%という順番になっています。これがベスト10です。

エアコンの7.4%というのは、意外に少ないように感じるかもしれません。しかし、夏に限るとエアコンの消費電力は一気に上がります。資源エネルギー庁の「『家庭の節電対策メニュー』(ご家庭の皆様)(平成25年4月)」によると、夏の日中(14時頃)のエアコンの消費電力は、その家庭の全消費電力の58%を占めています。2位は冷蔵庫の17%なので、いかにエアコンが多く電力を消費しているかがわかります。ちなみに冬の夕方(19時頃)のエアコンの消費電力は全体の30%でやはり1位です(暖房にエアコンを使用する家庭の場合)。

エアコンの年間の電気代はどれくらいでしょう。製品のスペックや性能、使い方によっても電気代は変わりますが、大雑把に年間電気代の目安を記すと、次のようになります。

  • 6畳向け  16,000円
  • 8畳向け  18,800円
  • 10畳向け  20,000円
  • 12畳向け  28,000円
  • 20畳向け  52,000円

運転方法を工夫してエアコンの電気代を節約する方法

エアコンは運転方法を工夫することで、ある程度電気代を抑えることができます。節約のための運転方法をご紹介しましょう。

自動運転を活用する

電気代を気にして風量設定は微風や弱風を選んでいないでしょうか?そうすると実は、なかなか室温が設定温度に達することができず、エアコンが運転し続けるため無駄な電力を使うことになります。最近のエアコンは自動運転にしておいた方が風量を適切に調節して効率的に設定温度にしてくれます。

設定温度と風向きを調整する

設定温度は、夏は少し高めに、冬は少し下げると節約できます。冷房の設定温度を1℃上げると約13%、暖房の設定温度を1℃下げると約10%の節電になると言われています。環境省では省エネのための目安として、夏の冷房時は28℃に、冬の暖房時は20℃を目安にするよう呼びかけています。

また、温かい空気は上に上がって天井付近に、冷たい空気は床上付近に溜まる傾向があります。部屋の中に温度ムラができるとエアコンの冷暖房効率が下がります。風向きはそのことを踏まえて冬は下向きにするのが効率的です。夏は風向きを水平にするとムラなく冷房できます。

フィルターを清掃する

フィルターにゴミやホコリが溜まると冷暖房効果が弱くなります。その分、無駄な電気を使うことになり、電気代で5~10%も損をしてしまうと言われています。フィルターは2週間に1回のペースで清掃するのが理想です。

室外機の負担を減らす

フィルターと同じように、室外機も掃除や手入れをするべきです。ゴミやホコリによって効率的な運転ができなくなって電気代が余計にかかるうえ、そのまま放置していると故障の原因になります。

また、とくに夏、直射日光によって室外機が熱くなると上手く放熱ができなくなり、室外機の働きが悪くなります。吸込み口や吹出し口の近くに物が置いてある場合や、冬の積雪も給排気を妨げます。日よけや雪よけを設置し、周囲を片付けるなどして室外機の負担を減らすよう心がけましょう。

運転方法以外でエアコンの電気代を節約する方法

運転方法以外の節約方法も見てみましょう。

省エネ効果の高いエアコンに買い替える

最も根本的なやり方ですが、省エネ性能に優れた最新のエアコンに買い替えるとかなりの節電効果が得られます。10年前のエアコンと現在のエアコンでは消費電力で約8%の差があると言われます。

最新の省エネエアコンでは運転データの蓄積と分析によって家庭ごとに最適な運転モードを自動選択するAI機能などが搭載されています。またエアコン内部を自動清掃する製品もあります。現在のエアコンが10年以上前から使っているものなら、買い替えを考えてみることをおすすめします。

扇風機やサーキュレーターを併用する

部屋の温度ムラを防ぐにはエアコン本体の風向きだけではなく、扇風機やサーキュレーターを使って空気を循環させるのも効果があります。冷房時は冷たい空気を扇風機・サーキュレーターで自分に送るようにすると涼しく感じます。

窓やカーテンの断熱対策を行う

窓やカーテンに断熱・遮熱対策を行うと外気の影響を受けにくくなり、冷気や暖気を逃さない効果も期待できます。夏はカーテンやすだれ、遮熱シートなどを使って日差しを防ぐ工夫をしましょう。冬は厚手のカーテンやブラインドが効果的です。

服装で体温調整をする

エアコンだけに頼らず、服装で体温調節をすることも大事です。夏は通気性に優れた素材の服や冷感インナーなどを着用しましょう。冬は1枚多く服を着たり、ひざ掛けやストールを使ったりするのが効果的です。当たり前のことではありますが、意識して服装を選ぶことも節電につながります。
エアコンの電気代は、節約のためのポイントを押さえて実践すれば確実に安くすることができます。まずは1つでも2つでも、できそうなことから始めてみてください。