一戸建ての電気代を安くしたい! 電気代が高い原因と節約方法
一戸建ての電気代はマンションなどに住んでいる場合より高くなりがち……とはよく言われることです。その理由はなぜなのか、そしてどうすれば一戸建ての電気代を安く抑えられるのか、一戸建ての電気代を節約するためのヒントをご紹介します。
一戸建ての電気代は高いってホント?
電気料金は家族の人数やライフスタイルによって異なります。そのため、一戸建てとマンションなどの集合住宅の電気代を単純に比べることは難しいのですが、一般的には一戸建ての方が高くなる傾向があります。電気の使用量自体も、マンション等に比べ一戸建ての方が多くなります。
マンションから一戸建てに引っ越したところ、1ヶ月の電気代が高くなってしまった…という話はさほどめずらしいことではありません。なぜなのか、その原因から見ていきましょう。
一戸建ての電気代がマンションより高くなる原因
一戸建ての電気代が高くなる原因として考えられるのは次の2点です。
契約しているアンペア数が高い
そもそも契約しているアンペア数が高いケースです。アンペアは電流の強さを表す単位で、契約アンペア数が高くなると、その分電気代の基本料金も上がります。
例として、東京電力の「従量電灯B」というプランのアンペア数ごとの基本料金は次のようになっています(2019年6月現在)。
- 10アンペア 280円80銭
- 15アンペア 421円20銭
- 20アンペア 561円60銭
- 30アンペア 842円40銭
- 40アンペア 1,123円20銭
- 50アンペア 1,404円00銭
- 60アンペア 1,684円80銭
上記を見ると分かるように、契約アンペア数を10アンペア高くすると、基本料金が約280円上がります。
例えばマンションに住んでいたときは40アンペアで大丈夫だったが、一戸建てに越してからは使う家電が増え、同時に使うとブレーカーが落ちてしまうため契約アンペア数を50アンペアにした……といった場合は電気代が高くなります。
また、とくに契約アンペア数について意識しておらず、必要以上にアンペア数を高く設定していたというケースもよくあります。
専有面積の広さや断熱性の低さ
一戸建てはマンションと比較して部屋数なども多く、専有面積が広くなる傾向があります。
専有面積が広くなれば冷暖房設備の負担が大きくなってしまい、部屋数も多ければ、その分設備の数や家電も増えるため電気代が上がります。
また、一般的にマンションよりも一戸建ての方が気密性や断熱性が低いとされます。外気の影響を受けやすいため、その分冷暖房の消費電力が上がってしまい、その結果電気代も上がってしまうのです。
一戸建ての電気代を節約する方法
では、一戸建ての電気代をなるべく安く抑えるにはどうすればいいのでしょうか。電気代の節約法を考えてみましょう。
契約アンペア数を見直す
自分の家の契約アンペア数がわからないという人は、電気使用量を知らせる検針票(電気ご使用量のお知らせ)を確認してみましょう。東京電力の検針票には「ご契約種別」の下の「ご契約」という箇所に契約アンペア数が記載されています。
適切な契約アンペア数を決めるときは、一度にどれだけの電気器具を使うかを考えて、それぞれのアンペア数を足して計算すると目安になります。主な電気器具の大まかなアンペア数は次のとおりです。
- エアコン 冷房時は5.8アンペア、暖房時は6.6アンペア
- 電気ストーブ 9.9アンペア
- 電気こたつ 5アンペア
- テレビ(液晶42型) 2.1アンペア
- 冷蔵庫(450Lクラス) 2.5アンペア
- 照明器具 1アンペア
- 電子レンジ 15アンペア
- オーブン/卓上IHクッキングヒーター 14アンペア
- ドライヤー 12アンペア
- 洗濯機 3アンペア
- IH炊飯器 13アンペア
- アイロン 14アンペア
なお、家電製品の多くは消費電力がワットで記載されています。ワットをアンペアに直すには次の式を使います。
ワット(W)÷100ボルト(V)=アンペア(A)
すぐにブレーカーが落ちてしまうという場合はアンペア数を上げる必要がありますが、たまに落ちるという程度なら、同時に使う器具を制限するなど、工夫次第でアンペア数を下げられます。
電力会社や契約プランを見直す
電力会社や契約プランを変更することでも電気代は安くなります。一度、インターネットの電気料金比較サービスで、どの程度安くなるのか調べてみるといいでしょう。
新電力と呼ばれる新しい電力会社を利用することなどで数パーセント、月々の電気代を節約できる可能性があります。また昼間より夜の方が使用電力量が多い場合は、夜の電気代が安い契約プランに変える方法もあります。それ以外にも、最近はユニークな料金プランを用意する電力会社が増えています。自分のライフスタイルに合う会社やプランを探してみると良いでしょう。
節電効果の高い家電に買い替える
古い家電を省エネタイプのものに買い替えるだけでもかなりの節約が期待できます。例えば同じメーカーの550Lの冷蔵庫で調べてみると、10年前の製品の年間消費電力は約420kWh、現在の製品の年間消費電力は約270kWhとなっているなど、格段に省エネ性能が上っていることが分かります。買い替えるための費用はかかりますが、長期的に見れば光熱費にかかる出費を抑えることが可能です。
太陽光発電を導入する
一戸建てなら太陽光発電を導入するのもおすすめです。発電できる電気量が日射量に影響されるなどの不確定要素もありますが、家をオール家電にする、契約プランを見直す、蓄電装置を備え付けて夜間などに使用するといった工夫をすると電気代を大幅に節約できる可能性があります。
一戸建ての電気代を節約するにはその原因を特定し、適切な対策を取ることが効果的です。上記を参考にぜひ節電に取り組んでみてください。