卒FIT後は旧一般電気事業者がいいの?売電先について解説!
「卒FIT後、余剰電力をどの売電先にしようか迷う」という方も多いのではないでしょうか。そんな方に向けて大手電力会社では、どのくらいの値段で買い取りを行っているのかを紹介いたします。大手電力会社より高価で電力の買い取りを行っている企業の紹介もするので、ぜひ参考にしてみてください。
クリックで目次
卒FITについて
「太陽光発電は設置しているけれど、卒FITがどういうものか分からない」という方もいらっしゃるかもしれませんね。卒FITとは、太陽光発電システムの設置後、10年間の国の買い取り保証期間が終了することを指します。より詳しい説明はこちらよりご確認ください。
卒FITとなると、売電価格がガクっと下がる傾向にあることをご存じでしょうか。
今回は大手電力会社の卒FIT後の売電価格や、少しでも高く売りたい方へおすすめの電力会社を解説いたします。ぜひ参考にしてみてくださいね。
電力会社には新旧ある
2016年4月より電力の小売りが全面自由化となりました。これに伴い電力の小売り事業へ新規で参入した会社を「新電力会社」といい、それ以前から電力を販売していた大手電力会社のことを「旧一般電気事業者(旧一電)」と言います。
太陽光発電システムを設置した際、卒FITまでの余剰電力の買い取りは各地域の旧一電が行っており、売電先の変更を行わなかった場合、卒FIT後も引き続き旧一電が買い取りを行うようになっています。
FIT期間中は国で定められた価格で買い取りしてくれる
FIT期間中は、さまざまな要因をもとに、経済産業省が決めた価格で旧一電が買い取りを行ってくれます。※年度によって価格が異なります。
引用:資源エネルギー庁
基本的に一般家庭の発電量は10kw未満となるため、2023年度に契約した場合は「16円」での売電となります。
卒FITすると価格が大幅に変化
先述したように、卒FIT後、売電先の変更を行わなかった場合は、原則的には契約している旧一電へそのまま継続しての売電となります。
しかし、売電価格がガクっと落ちてしまうのが特徴です。
各エリアの旧一電がいくらくらいで買い取りを行っているのかを確認してみましょう。
各電力会社の買い取り価格
北海道電力
買い取り価格:8.00円/kWh
契約期間:買取期間満了の翌日から翌4月の検針日の前日まで
ポイント:北電と電気契約をしている場合、買い取り価格+エネモポイントが貯まり、ポイントはいろいろなものに使える。
東北電力
買い取り価格:9.00円/kWh
契約期間:毎年3月31日まで
ポイント:東北以外の方の契約が可能だったり、リースサービスがあったりする
北陸電力
買い取り価格:8.00円/kWh
契約期間:プラン適用開始日から1年間
ポイント:さまざまな買い取りプランがあり、専用窓口でどのプランに契約すればいいのか相談ができる
東京電力
買い取り価格:8.50円/kWh
契約期間:FIT買取期間満了日の翌日から満了日の翌日が属する年度の末日まで
ポイント:蓄電池がない方や、環境活動に貢献したい方に向けたプランもある。
関西電力
買い取り価格:8.00円/kWh
契約期間:買取期間終了の翌日から翌4月の検針日の前日まで
ポイント:一部関西以外のエリアでも買い取り可能
中国電力
買い取り価格:7.15円/kWh
契約期間:原則として当該年度の4月1日から3月31日まで
ポイント:さまざまなプランがあり、ポイントでお得になるプランも。
四国電力
買い取り価格:7.00円/kWh
契約期間:記載なし
ポイント:四国電力で契約している場合、お得になるプランも。
九州電力
買い取り価格:7.00円/kWh
契約期間:「買取期間満了日」の翌日から、翌4月の検針日の前日まで
ポイント:「買い取りプラン」以外にもさまざまなプランがある
沖縄電力
買い取り価格:7.70円/kWh
契約期間:記載なし
ポイント:プランによってはポイントでお得になるものも。
旧一電で売電するメリット
「買い取り価格は下がるけれど、旧一電で売電するメリットはあるの?」と思われる方が多いかと思います。売電先に旧一電を選ぶメリットとしては、下記のようなものがあります。
卒FIT後の売電先の変更が基本的に不要
FIT期間中は基本的に大手電力会社より売電した料金が支払われています。そのため、卒FIT後も価格は下がるものの契約はそのままにしておけばいい会社が多くなっています。
「売電先を調べ直すのが手間」「契約書類を読むのが苦手」という方は、無理に売電先を変更する必要はないでしょう。
しかし会社によっては卒FIT後の契約をしなかった場合、無償での引き取りになることもあるようなので、一度ご自身が契約中の大手電力会社のウェブページなどを確認することをおすすめします。
倒産の心配がない
戦争の影響等で、電気料金が高騰したことは記憶に新しいと思います。電気を供給することで赤字になってしまい、倒産や電気契約を終了した新電力会社はいくつかあります。
旧一電と比べると規模が小さい企業がほとんどのため、戦争など世界で大きな動きがあった場合、電気供給や買い取りに影響が出る可能性は高くなっています。
突然倒産し、困ってしまうということはなく事前に知らされることがほとんどではありますが、そうなると再度電力会社を調べ直して契約する必要が出てきてしまいます。
卒FIT後の売電は新電力がお得
多くの場合、大手電力会社より、新電力会社の方が売電価格は高い傾向にあります。
例えば、当社の場合では2023年7月上旬現在、下記の買い取り価格です。
エリアにもよりますが、大手電力会社と比べると大幅に価格が高いことがお分かりいただけると思います。もし興味がありましたら、こちらのページよりご確認ください。
他社とも比較したい
蓄電池の設置等、キャンペーンによってはもっと高価な買い取りを行っている新電力会社も中にはあります。そんなときに便利なのが「どうする?ソーラー」という経済産業省が運営しているサイト。
都道府県ごとに買い取りを行っている電力会社を新旧含めて確認ができます。
売電以外の余剰電力の活用方法についても解説しているため、卒FITを迎える前に一度見てみることをおすすめします。
活用方法についてはこちらで解説しているので参考にしてみてください。
まとめ
余剰電力の買い取りの契約先を変更する場合、申し込みから1~2か月必要になる企業も少なくありません。そのため、事前に調べておくことをおすすめします。
また、キャンペーン等によって買い取り価格が随時変動しているため、最新の情報をチェックできるとより良いですね。
自分に合った余剰電力の活用方法を見つけましょう。