1日あたりの発電量は? 太陽光発電の発電量の調べ方

太陽光発電を導入する際には、いろいろなメーカーのものを見比べて少しでも発電効率の良いものを選びたいものです。なぜなら、太陽光設置後の経済メリットというのは、発電量によって決まるからです。実際に太陽光を設置する際には、あらかじめ「どのくらいの発電量が得られて、どれくらいの収支になるのか」ということを具体的にシミュレーションしておくと良いでしょう。そこで今回は、太陽光発電の発電量の調べ方について詳しく解説していきます。

太陽光発電の1日あたりの発電量はどのくらい?

太陽光発電を既に導入している方も、これから太陽光発電を導入する予定の方も、太陽光発電がどのくらいの電力を作り出すのか気になりますよね。当然のことながら、発電量というのは雨天時よりも晴天時の方が多くなり、季節や外気温によっても変わってきますが、平均としては1kWあたり年間で900~1400kWhが一般的な目安となります。これを単純に350日で割ると、2.5〜3.8kWhが1日あたりの発電量の目安というわけです。
上記を見ると、「kW(キロワット)」と「kWh(キロワットアワー)」という2つの単位が使われています。この2つの単位の違いについては以下で詳しく見ていきましょう。

太陽光発電の発電量をあらわす単位

太陽光発電の発電量について知るためには、kWとkWhについてきちんと理解しておく必要があります。この2つの単位は、それぞれ何を表しているのでしょうか。電力を水に例えて考えていきましょう。

kW(キロワット)

kWというのは「電力(出力)」を表す単位のことをいいます。基本となっているのは私たちの生活でも一般的に使われている「W(ワット)」という単位で、1kWは1,000Wです。当然のことながら、その数が大きければ大きいほど、より多くの電力が流れていることになります。これを蛇口から流れる水に例えると、10Wというのは蛇口からちょろちょろと流れる細い水、100Wというのは蛇口からたっぷり流れる太い水といった感じです。
では、これを太陽光発電で考えてみるとどうなるでしょう。太陽光発電システムでは、kWは設置容量を指し、それくらいの電力を作り出すパワーを持っているかを表しています。つまり、kWの数が大きければ大きいほど、より多くの電力を作り出すことができるというわけです。

kWh(キロワットアワー)

一方、kWh(キロワットアワー)というのは「電力量」を表す単位のことで、1時間に使う電気の量を表しています。水に例えると、「蛇口からどのくらいの水が出たのか」を意味していて、太い蛇口と細い蛇口とでは1時間で溜まる水の量が異なるのと同じで、電力が異なれば使う電気の量も違います。
これを太陽光発電で考えてみると、「1時間あたりの発電量」という意味になります。

太陽光発電の発電量の計算方法

kWとkWhの違いが分かったところで、次は発電量の計算方法について考えていきましょう。
太陽光発電の発電量というのは、『発電量=システムの容量(kW)×日射量(太陽光の強さ)×損失係数(ロス)』で求めることが可能です。以下でそれぞれ詳しく解説していきます。

システムの容量(kW)

太陽光発電が作り出すことができる電力の容量、つまりは太陽光発電システムの発電設備の大きさのことです。上記で説明したとおり、容量はkWで表されます。

日射量

日射量というのは、太陽から太陽光発電に届くエネルギーの大きさのことで、天候や季節によっても変化しています。独立行政法人NEDOが調査したデータが一般にも公開されているため、その数値を用いて計算しましょう。

損失係数(ロス)

損失係数というのはシステム出力係数のことで、外的要因によって発生する一定の発電量の損失を意味しています。損失係数は、『損失係数=パワーコンディショナの変換効率(5%)×気温による影響(5%)×その他の損失(5%)』によって求めることが可能です。ただし、システム出力係数というのは季節や地域によっても差があるため、年間を通した損失係数は「0.85」が使われるのが一般的です。

太陽光発電の発電効率を上げるポイント

発電量というのは、パワーコンディショナの変換効率や気温、そのほかの要因といった損失係数によってもその結果が大きく変わってきます。つまり、発電効率を上げるためには損失係数の要因となる部分をできるだけ解消することが大切です。では、具体的にどのような点に気をつけたら良いのでしょうか。主なポイントは以下の通りです。

太陽光パネルを設置する方角や角度に注意する

太陽光パネルを設置する方角によっては、太陽の当たりかたが大きく変わってきます。太陽光パネルを設置するベストな方角は真南で、北は避けた方が良いというのが一般的です。また、太陽光パネルは設置する角度によっても発電量に違いが出てきます。立地条件などを加味しながら最適な角度で設置をしましょう。

定期的なメンテナンスを行う

太陽光パネルは屋外に設置されているため、雨風などによる汚れや傷の影響を受けやすいのも特徴です。定期的なメンテナンスを行い、発電量低下の原因となる汚れ、傷、雪、枯葉、鳥のフンなどに気を付けることで発電効率の低下を防ぐことができます。

太陽光発電システムを設置したとき発電量がどのくらいになるのかを正しく理解しておくことは、費用対効果を考える上でも大切なポイントです。太陽光パネルの導入を検討する際には、上記の内容を参考にして、太陽光の発電量を正しく把握しましょう。