太陽光発電に必要なパワーコンディショナーの機能とは
自宅で発電した電力を家庭内で使用することで電気料金を節約したり、発電した電力を電力会社に売ることで副収入を得たり、さまざまなメリットがある太陽光発電。設置する際には、屋根に搭載する「太陽光パネル」の枚数や性能ばかりを気にしてしまいがちですが、発電量を最大化するためには「パワーコンディショナー」の性能にも注目する必要があります。というわけで今回は、太陽光発電システムの心臓部ともいえる「パワーコンディショナー」について、その機能や選び方のポイントを一緒に勉強していきましょう。
太陽光発電のパワーコンディショナーの機能とは
太陽光発電というのは、太陽からエネルギーを「作る」、そのエネルギーを「集める」、集めたエネルギーを家庭用の電力に「変える」、電力を家中に「送る」といった仕組みによって、家庭内で使うことができます。このなかで、集めたエネルギーを家庭用の電力に変換する大切な働きをしているのがパワーコンディショナー(パワコン)です。
電気には「交流」、「直流」と呼ばれる2つの種類があります。太陽光パネルで作り出される電力は直流ですが、日本の一般的な家庭では交流が使われているため、家庭で使えるようにするためにパワーコンディショナーによって電力を直流から交流に変換しなくてはいけません。
つまり、パワーコンディショナーがなければ、太陽光パネルがどんなにたくさんのエネルギーを作り出したところで、家庭では使うことができないのです。
また、パワーコンディショナーには電力を直流から交流に変換するだけでなく、常に太陽光発電の発電量を最大化する働きや、過電圧・電圧不足、系統電力の停電といったトラブルが発生した際に出力を遮断して家庭内の電化製品や電気系統を守る「系統連系保護機能」と呼ばれる大切な働きも担っています。
太陽光発電のパワーコンディショナーの寿命とメンテナンス
パワーコンディショナーというのは、太陽光発電を構成するさまざまな機器の中でも、最も重要で最も故障しやすい機器だと言われています。残念ながら設置後半永久的に使えるというわけではなく、10年前後で寿命が来るのが一般的です。そのため、できるだけ良い状態を維持するためには、定期的なメンテナンスは欠かせません。メーカーでは10年間は無料保証期間を設けているところが多く、保証期間が過ぎてからの修理や交換は有償になります。言い換えれば、保証期間であれば修理や交換が無料になるケースが多いわけですから、普段からパワーコンディショナーの様子を気にかけて、小さな不具合を見逃さないようにすることが大切です。
太陽光発電のパワーコンディショナーを選ぶときのポイント
パワーコンディショナーというのは、太陽光の発電量を最大化するためにも欠かせない重要な機器です。これから太陽光発電を導入する場合や、パワーコンディショナーが故障して交換する場合には、その性能をしっかりと理解した上で最適なものを選びましょう。
では、実際にパワーコンディショナーを選ぶ際にはどのような点に気をつけたら良いのでしょうか。主なポイントは以下の通りです。
最大定格出力
「最大定格出力」というのは、パワーコンディショナーが出力可能な電力の最大値を意味しています。パワーコンディショナーを選ぶ際には、太陽光パネルと同レベルの最大出力を持つものを選ぶことが大切でしょう。なぜなら、太陽光パネルが100Aの電気を出力しても、パワーコンディショナーの最大定格出力が70Aしかなかったら、30Aは無駄になってしまうからです。
変換効率
パワーコンディショナーは、太陽光パネルが作りだした直流電力を、家庭内で使える交流電力に変換するのが役割です。電力を直流から交流へ変換する際にはどうしてもロスが発生してしまうのですが、このロスが大きければ大きいほど使える電力が少なくなってしまいます。つまり、パワーコンディショナーを選ぶ際には、できるだけロスが少ない変換効率の良いものを選ぶことで、家庭で使える電力や電力会社へ売電する余剰電力を増やすことができるというわけです。
自立運転機能の有無
パワーコンディショナーのなかには、地震や台風といった災害や雷などによる停電時に電気を使うことができる「自立運転機能」がついたものもあります。反対に、自立運転機能がついていないものは、どんなにたくさんの電力を作り出していても停電時にその電力を使うことはできません。台風や地震などのリスクに備えるならば、自立運転機能がついたパワーコンディショナーを選ぶのがおすすめです。
太陽光発電のパワーコンディショナーを設置するときの注意点
パワーコンディショナーは精密機器ですので、基本的には屋内の設置になります。一般的な大きさは電子レンジ程度ですが、運転開始時や終了時のスイッチ音や冷却ファンなどの音が常に聞こえるため、些細な音でも気になるという方の場合は、設置場所に注意が必要です。サイズや音を加味した設置場所を検討するようにしましょう。
太陽光発電を効率的に稼働させるためには、それぞれの家庭にあったパワーコンディショナーを選ぶことが大切です。まずは上記の内容を参考にして、パワーコンディショナーの役割や選び方のポイントを把握しておくことをおすすめします。