太陽光の発電量が減る? 発電効率が低下する原因と対策

太陽光発電システムを導入するためには、高額な初期費用が必要です。ただし、設置後に発電した電力を上手に売ることができれば、その費用は10年ほどで回収することが可能だと言われています。ところが、せっかく太陽光発電システムを設置したにも関わらず思ったような発電量が得られなかったら、なんだか損した気分になってしまいますよね。では、実際に太陽光発電システムはどんな時に発電量が低下してしまうのでしょうか。ここでは、太陽光の発電量が低下してしまう原因と、その対処法について詳しく解説していきます。

太陽光の発電量の目安はどれくらい?

太陽光発電では電力の単位をkW(キロワット)、電力量をkWh(キロワットアワー)で表します。kWによって容量が決まり、その数字が大きければ大きいほどより多くの電力が得られます。
では、自宅に太陽光発電システムを導入する場合、どのくらいの発電量を得られるのでしょうか。発電量というのはその月の天候や地域などによっても差がありますが、1日当たりの発電量は平均して1kWで2.5kWh〜3.8kWhとなります。ただし、太陽光発電というのは日射量が大きく関わってくるため、月によってもその出力に変化があるのが一般的です。太陽光発電を導入後に発電量の低下が見られたときには、それが季節的要因なのかなんらかの故障なのかを見極めなくてはいけません。万が一発電量が平均値を大きく下回る場合には、以下で紹介するものが原因と考えられます。

太陽光の発電量が低下する原因と対策

太陽光発電というのは、天候や気温などの気象条件によっても発電量が若干下がってしまうことがありますが、気象条件による発電量の低下はあくまでも一時的なもので、天候が回復すれば問題も解決することがほとんどです。
例えば、メーカーが目安としている発電量が5kWhだった場合、実際の発電量が3〜4kWh程度であれば許容の範囲内だと言えるでしょう。万が一その数値よりもはるかに下回ってしまっている場合には、なんらかのトラブルが生じている可能性があります。では、そのトラブルはどうして起きてしまったのでしょうか。考えられる主な原因は以下の5つです。それぞれ詳しく見ていきましょう。

太陽光パネルの経年劣化

太陽の光を吸収して発電するための機器である「太陽光パネル」というのは、残念ながら経年による劣化を避けることはできません。その度合いはメーカーによってもさまざまで、1年ごとに少しずつ発電量が低下していくものもあれば、10年以上経過した頃に発電量がガタンと落ちるものもあります。

太陽光パネルの表面の汚れ

太陽光パネルは屋外で雨風にさらされ続けているため、その表面に鳥の糞や埃、黄砂、落ち葉などが蓄積してしまうことで発電量に大きく影響してしまうケースもあります。

太陽光パネルのトラブル

太陽光パネル自体のトラブルも発電量低下の一因となります。ガラスの破損、パネル内部の劣化、雨水の浸水などには注意が必要です。

日照不足や高い外気温

雨や雪の日が続いた場合など太陽の光が十分に当たらないときには、日照不足により発電量が低下してしまいます。また、太陽光パネルは熱にも弱いため、真夏のように外気温が高い日には発電量が大幅に低下してしまうことも。

電圧上昇抑制

太陽光パネルには特に問題がない場合でも、売電する電気の電圧が高くなりすぎてしまった場合には、パワーコンディショナーに備わっている「電圧上昇抑制」が働いて、発電量が低下してしまうこともあります。

太陽光発電を効率よく行うために気を付けたいこと

発電量低下の原因が分かり、問題を解決することができたら、その発電効率を維持することが大切です。では、実際にどのようにして発電効率を保てばいいのでしょうか。効率よく発電させるポイントを詳しく解説していきます。

発電量のモニタリング

太陽光の発電量を最適な状態で維持するためには、発電量の「見える化」をすることが大切です。導入した太陽光パネルの平均的な発電量を把握した上で、日々の発電量を意識してモニタリングすることで、発電量が急激に低下した場合や、何らかのトラブルが発生した場合にもいち早く気づき対処することができます。

太陽光パネルやパワコンの定期的な点検

太陽光発電システムには太陽電池モジュールやパワーコンディショナーなどさまざまな機器が必要です。どれも精密機器で故障しやすいため、定期的にメンテナンスを行うことによって発電効率を良い状態で維持することができます。多くのメーカーでは保証期間を設けていて、その間であれば無償で交換や修理ができるケースがほとんどです。特に問題がないからといって放置するのではなく、こまめにメンテナンスを行うことで不具合に早く気づき、修理・交換のコストを抑えることもできます。

太陽光発電は設置後も定期的にメンテナンスを行うことで、発電効率を維持することができます。太陽光発電システムを設置後、しばらくして発電量が落ちてきたと感じた場合には、上記で紹介した内容を参考にして原因を見つけ適切に対処していきましょう。