LEDってどうしてお得なの?どれくらいお得なの?
LEDライトは安い、という話は聞いたことがある、という方も多いと思います。ここでは、実際にどのくらい安くなるのかという疑問に答えつつ、LEDに替えるメリットデメリットについても解説します。
LEDの電気代がお得なのはほんと?
実際に、白熱電球や蛍光灯と比較して、LEDの電気代は安くなります。ただし、必ずしもお得になるとは限らず、LEDは実際にどれくらいお得なるのかについては、電気代と購入費、寿命の3つの側面を見なければなりません。
電気代を比較
どの照明を使ったとしても、電力エネルギーを通すと、光と熱の2つのエネルギーに変換されます。白熱電球は約20%を光エネルギー、約80%を熱エネルギーに変換しています。白熱電球に手を近づけてみたら、とても熱かった、という経験をした方も多いのではないでしょうか。
一方で、LEDは70%を光エネルギー、30%を熱エネルギーに変換されています。なので、LEDに手を近づけてみてもさほど熱を感じることはありません。つまり、LEDは発光効率が良いため、電気代を安くすることができるのです。では、実際にどのくらい安くなるのでしょうか。約6畳の部屋を照らす場合で計算してみましょう。
【白熱電球の場合】
約240Wの消費電力が必要となります。一日5時間使用したとして、年間で約11,826円かかります。
【LEDの場合】
約38Wの消費電力が必要となります。一日5時間使用したとして、年間で約1,872円かかります。
※1kWh27円で計算
実際の数字を見てみると、差は歴然です。LEDは白熱電球と比べて約1/6の電気代で済むのです。ちなみに、蛍光灯と比較した場合だと、約1/2の電気代で済む計算になります。
購入費を比較
さて、電気代に関しては、圧倒的にLEDがお得といった結果が出ましたが、購入費はその反対となります。白熱電球は安価なもので100円から売っているのに対して、LEDは2,000~4,000円程度となってきます。高い理由としては、素材と製造工数の違いです。
ただし、現在、LEDの普及率を伸ばすべく、「照明の2020年問題」というものがあります。2020年12月31日以降、水銀を使用している蛍光灯と水銀灯については、製造が禁止され、LED照明や有機EL照明の生産に100%切り替えるというものです。今後、LEDの開発がさらに進むと、白熱電球ほどではないですが、安価になってくる可能性はあるでしょう。
寿命を比較
LEDと白熱電球、どちらがお得か比較するにあたって、もう一つ覚えておかなければならないのは寿命です。白熱電球が約2000時間持つと言われていますが、LEDに関しては、約40000時間持つと言われています。約20倍もの寿命の差があり、その分取り換える回数が減るという考え方もできますね。
経験がある方も多いかと思いますが、白熱電球は突如「パチン」と音がして、つかなくなります。これは電球内のフィラメントが、使うたびに細くなり切れてしまう「球切れ」というものです。一方、LEDに関しては、原理的には半永久的に光り続けると言われていますが、チップや樹脂など材料が徐々に劣化していくことによって寿命がきます。しかし、白熱電球のように、いきなり消えてしまうわけではなく、徐々に明かりが弱くなっていきます。日々使うものなので、目視ではなかなか気づけないとは思いますが、「暗くなってきたな」と思ったら替え時かもしれません。
電球を決めるときのポイント
ここまで3つの面からLEDと白熱電球を比較してみました。LEDは購入費がかかってしまいますが、それ以上に電気代が安く、長持ちするため、長期的にみると、費用面ではお得と言えるでしょう。ただし、あくまで長期的に見た場合なので、短期間しか使わない、かつ、とりあえず安価に用意したい場合は白熱電球でもいいかもしれません。また、LEDと白熱電球は明るさや色が違うため、場所によって使いわけるのも一つの手ですね。
LED | 白熱電球 | |
電気代 | ◎ |
× (LEDの1/6) |
購入費 |
△ (数千円~) |
◎ (数百円~) |
寿命 |
◎ (約40000時間) |
× (約2000時間) |
LEDの特徴は
ここまで費用面にフォーカスして解説してきましたが、ここからはLEDのメリットデメリットに分けて特徴を説明していきます。金額だけではなかなか決めかねる、という方はぜひ参考にしてみてください。
LEDのメリット
LEDには金額の他にもたくさんのメリットがあります。
・環境にやさしい
LED照明は水銀や鉛といった有害物質を使用していません。また、「電気代を比較」でも記述しているとおり、消費電力を抑えることができます(=省エネ)。つまり、その分CO2の排出を抑えられるので、環境への負荷が減少されるのです。さらに、長寿命なので、廃棄物が削減できるという点でも環境にやさしいと言えるでしょう。
・紫外線フリー(害虫フリー)
蛍光灯には日光の1/1000の紫外線が含まれています。LEDに関しては、紫外線をほぼ照射しないものと、紫外線を含むものの2つ種類がありますが、一般的に市販されているものは紫外線を含んでいないため、人体にもやさしいと言えます。
また、害虫は紫外線に寄って来る特性があります。紫外線フリーによって、害虫が寄ってこないこともメリットのひとつでしょう。
・応答性が良い
LEDの点滅応答速度は、白熱電球の約1000倍と言われます。つまり、通電して瞬時に点灯するので、オンオフが多い箇所や職場などでは、メリットが多いでしょう。
LEDのデメリット
もちろんデメリットもあります。チェックしたうえで、購入をしましょう。
・価格が高い
前述した通り、LEDは他の電球よりも購入費用が高くなっています。総合的に考えれば、安く済むのですが、一番大きなデメリットなのではないでしょうか。
・耐熱性が低い
LEDは寒さに強いという特性を持っています。なので、寒冷地などでも設置できる面ではメリットと言えますが、一方で熱には弱いため、浴室などといった熱がこもるような場所での設置には適していません。
さいごに
費用面だけでなく、メリットデメリットについても記述してきましたが、いかがだったでしょうか。欲しかった情報は手に入れられたでしょうか。現在、環境への注目が高まっているため、「照明の2020年問題」のように、照明の選択の流れも変わってきています。メリットデメリットをしっかりと把握した上で、購入を決めていきましょう。