SDGsに関連する資格や認定講座をご紹介!~どんなメリットがあるの?~
2030年までに17のゴール達成を目標するSDGs。日本でも多くの企業が持続可能な社会に向けて取り組んでいます。そんなSDGsに関連する資格・検定や、取得におけるメリットについて説明します。興味がある資格が見つかった際は是非取得してみてください。
そもそもSDGsって?
SDGsとは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略。SDGsの歴史は2001年にまでさかのぼります。2001年に採択されたミレニアム開発目標(MDGs)の後身がSDGsです。
SDGsは、貧困や気候変動や感染症などの世界中のさまざまな課題を解決するための17の国際的な目標で、2015年9月に国連サミットで採択されました。2030年までという期間を定め、目標を達成できるよう世界中の人々が努力しています。
SDGsの前身であるMDGsはどのようなものなのでしょうか。
MDGsって?
MDGsは「Millennium Development Goals」の略です。2001年に採択された2015年までを達成期限とする国際目標で、8つの目標がありました。
実際にMDGsは多くの成果を上げました。国際連合によるMDGsの報告によると、
・開発途上国で極度の貧困に暮らす(1日1ドル25セント未満で暮らす)人々の割合
47%(1990年)→14%に減少
・初等教育就学率
83%(2000年)→91%に増加
・インターネットの普及率
世界人口の6%(2000年)→43%まで増加
など。
出典 国際連合
「極度の貧困をあと一世代でこの世からなくせるところまで来た」「MDGsは歴史上最も成功した貧困撲滅運動になった」と潘基文(パン・ギムン)国連事務総長は成果を強調しました。
しかし、未達成や残された課題も多く、そこに環境問題などの課題を追加して、解決していくために誕生したのがSDGsなのです。
MDGs・SDGsについてのより詳しい説明はコチラ。
どんな資格があるの?
先述したように、世界中で目標達成のために多くの人々が努力しているSDGs。もちろん日本でも達成のために積極的な動きがあります。近年ではSDGsに取り組んでいる企業も多く、それに伴い資格分野も発展が著しいです。どのような資格があるのかを紹介します。
SDGsカタリスト/アドバイザー
SDGsについて初めて触れる方に向けた資格です。SDGsをジブンゴトとして捉え、SDGsを意識して日常生活を送ったり、業務のシーンで実践者として行動出来たりする人材の育成を目的としています。(FSUN(国連支援交流協会))と企業研修で提携している一般法人SDGs大学が提供している資格です。
試験はなく、3時間のほどの講座を受講の修了が認定条件です。受講修了後、一般法人SDGs大学にカタリストとして登録され「カタリスト認定証」が郵送されます。登録後は、ワークショップなどの勉強会が開催されるため、普段なら関わることがない人々と交流ができることが大きな魅力です。
更にSDGsカタリストの上位資格としてSDGsアドバイザーがあります。より深くSDGsを理解し、カタリスト講師の育成を目的とした資格になります。アドバイザーになると一定の要件の下、 カタリスト認定講座を開催することができます。
CRS(Corporate Social Responsibility)検定
CRSとはCorporate Social Responsibilityの頭文字を取ったもので、訳すと「企業の社会的責任」となります。企業や組織にとって欠かせないもので、社会からの声に応える対応力や、本業を通じた社会課題の解決が求められています。
SDGs達成のためには、周囲の組織や同じ考えを持った人たちとの関わり合いが必須です。目標を達成するための方法論としてCRSがあります。
CRS検定は1~4級となり、対象者が設定されています。自分に合ったレベルの試験を受けることをおすすめします。また、等級ごとに試験時間なども異なり、上級にいくほど合格率が下がっています。上級受験の際にはしっかりと対策しましょう。
eco検定(環境社会検定試験)
環境に関する広範囲の知識が求められる試験です。合格すると、知識を活かして環境に配慮したビジネスを実現できるため、多くの企業でも合格が推進されています。キャリアアップのためだけではなく、環境に配慮した健康で安全な暮らしのために受験する方も多いです。さまざまなシーンで役立つ試験と言えます。
また、検定合格者を「エコピープル」と呼称しており、試験で得た知識を活かしていくために、専用サイト内で情報発信を行っています。合格した際には活用していくといいでしょう。
受験資格に制限はなく、出題範囲は公式テキストの知識と応用力となります。受験期間が近くなると公式オンデマンド講座もあるため、勉強方法が多様なことも魅力の一つです。
受験形式としては下記2パターン。自分に合った受験方法を選択できます。
・IBT方式→受験者自身のパソコン・インターネット環境を利用し、受験
・CBT方式→各地のテストセンターにて備え付けのパソコンで受験
詳しくは公式サイトを確認してみてください。
環境再生医資格認定
環境再生医とは、自然保全や再生活動の際に、環境に関する専門性と知識を活かして、さまざまな人と協働できる環境人材を指します。
主務省が環境省であるこの資格は、いろいろな立場や業種で「持続可能な社会」を作るために取り組みをされている人や、これから活動にチャレンジしたい人が受講対象となります。
出典 環境省
認定者へは、活動状況をホームページやニュースレターで紹介するなどのフォローアップを行っており、現在では約6000名の方が環境再生医として活躍しています。
GRI認定サステナビリティ・プロフェッショナル
オランダに本部を置く「Global Reporting Initiative(=GRI)」が提供する資格で、サスティナビリティに関するレポートについて学ぶことができます。非財務情報開示について国際基準を設定する団体で、日本でも多くの企業が基準内で報告書などのレポートを作成しています。
企業のサスティナビリティ担当者やCSR報告書作成担当者など実務を行っている方が対象となり、下記三種の研修を修了することで資格を取得できます。
・GRIスタンダード認定研修
・人権レポーティング研修
・SDGsサステナビリティレポーティング
研修受講後、GRI本部が実施する受講後アンケートを回答すると修了証が発行されます。
過去にこのコラムで紹介した資格
さまざまな資格について紹介しましたが、紹介した資格以外にも、以前このコラム内で取り扱ったものがあります。気になったものがあれば、各リンクより詳細を確認してみてください。
SDGs検定
SDGs検定は一般社団法人SDGs推進士業協会が提供している検定試験です。
SDGsへの理解やアクションを促すことなどを目的とし、2019年に初回が実施されて以来、受験者数が増加しています。
詳しくはコチラから。
環境アセスメント士
開発事業に際し、環境への影響調査・予測などを行うとともに、それに対する環境保全措置の検討や環境影響評価図書の作成・支援などを担う環境アセスメント士。
生活環境部門と自然環境部門に分かれており、実務経験が必須となります。
試験内容などはコチラから。
グリーンセイバー資格
1998年に創設されて以来、3500人以上が「グリーンセイバー」として活躍しています。植物や生態系の知識を備え、自然と調和できる人材の育成を目的とし、試験に合格すると環境保全活動の現場で活動するためのサポートを受けることが可能です。
受験料やSDGsとのかかわりなど、詳しく知りたい方はコチラから。
資格を取るメリット
先述した以外にも、たくさんの資格や認定講座があります。受験・受講するメリットはどのようなことがあるのでしょうか。
社会人のメリット
近年、SDGsや環境問題に取り組む企業は急増しています。そのため、社内に関連する部署がある場合、リーダーシップをとることができます。
推進リーダーに就任した場合、勉強会や交流会へ参加する機会が増えるでしょう。これまで交流がなかった分野の方々とも新たに交わり人脈を作ることができ、企業として成長に繋がることもあるかもしれません。
SDGsの目標17にも「パートナーシップで目標を達成しよう」と記されており、行政と企業、企業とNPOなど、異業種がパートナーシップを組み、事業を展開しているケースも多くあります。
学生のメリット
資格を取得することで履歴書に記載することができます。中小企業では「SDGsに興味はあるが、何からすればいいかわからない」と思われている場合も少なくありません。SDGsについての知識が豊富であれば、優秀な人材として重宝されることが多々あります。
こういった資格が就職活動を有利にすることもあります。
まとめ
さまざまな資格や認定制度があるため、目的に応じて自分に合ったものを選択できると良いでしょう。迷った場合は、企業内で相談したり、実施団体のポジショニングをみて検討したりするのも良いかもしれません。
資格取得のために勉強することで、SDGsについての理解が深まります。ぜひ参考にしてください。