太陽光発電の仕組みや特徴を解説

太陽光発電やソーラーパネルは太陽の光を受けて発電するシステムです。今回は太陽光発電の仕組みや発電量の計算方法、太陽光発電のメリット・デメリットなどを解説します。

太陽光発電とは?

太陽光パネルは、+極が集まりやすい「N型半導体」と-極が集まりやすい「P型半導体」が重なってできています。ここに太陽の光エネルギーがあたるとN型半導体には+極が、P型半導体には-極が自然と集まります。この+極と-極をつなげることで電気が流れる仕組みになっています。乾電池も+極と-極があるように太陽光発電も+極と-極があるのです。

なお、発電~電気が使えるまでの簡単な流れは以下のとおりです。

  1. 太陽光パネルによって、光エネルギーを電気に変換する。
  2. 接続箱を経由しパワーコンディショナーに発電された電気が送られる。
  3. パワーコンディショナーから分電盤を通って、各コンセントや電力会社の送電線に電気が流れる。

太陽光発電はどのくらい発電する?

では実際、太陽光発電はどのくらい発電するのでしょうか。太陽光発電の発電量を計算するには以下の数式が使われます。

システム容量(kW)×平均日射量(kWh/㎡)×損失係数(%)

  • システム容量
    作れる電気の容量を現した数値です。太陽光発電システムの規模によって変化します。
  • 平均日射量
    平均的に当たる日光量です。地域はもちろん、太陽光パネルの向き、角度などによっても変わります。
  • 損失係数
    太陽光発電は、発電した分のすべてが電気として使えるわけではありません。そのうちの20%前後は失ってしまうので、残りが使える電気になります。一般的には0.75~0.85で計算されることがほとんどです。

以上の数値から、発電量を調べることができます。しかし、これらの数値を集めて計算するのはなかなか難しいことです。一番楽な方法は、太陽光発電関連を扱っている業者にお願いすることです。依頼する場合でも、どんな要素によって計算されているかを知っておくことで、業者から出された見積もりをただ受け入れるのではなく、しっかり判断することができます。

ちなみに、太陽光発電システムの1kW当たりの年間発電量の平均は約1,000kWhです。

(太陽光発電協会調べ)

以下、表にしてみましたので、簡単に知りたい場合はご参考ください。

容量(kW) 3 4 5 6 7 8
年間発電量(kWh) 3000 4000 5000 6000 7000 8000
平均月発電量(kWh) 250 333 416 500 583 666

ちゃんと知ろう、太陽光発電の特徴

太陽光発電の特徴を調べると、いろんなメリット、デメリットが出てきます。しかし、中には、これってメリットなの?と思ったりするものも少なくありません。ここではどの太陽光発電でもいえる特徴をメリット、デメリットとして解説します。

太陽光発電のメリット

  • エネルギー源が半永久的になくならない
    太陽光発電のエネルギー源は太陽のため、太陽がなくならない限り、エネルギー源はなくなりません。
  • CO2が出ないため、自然に優しい
    環境貢献できる設備のため、国としても導入が推進されています。そのため、補助金など導入をサポートする制度があり、個人でも導入しやすくなっているのです。
  • 収入源を作ることができる
    電気は売ることができます。設備の設置することで、何もしなくても発電し、余った電気(もしくは全量)を売ることができるので、収入を得ることが可能です。
  • 発電してればいつでも電気が使える
    発電能力を持つことは、電力会社からの電気供給に依存しないことになります。そのため、災害や何らかの原因によって電気の供給がストップしてしまっても、日中であれば電気を使うことが可能です。

太陽光発電のデメリット

  • 発電量が天候に左右される
    太陽が出ていないと発電量が下がります。エネルギー源が太陽だからこそのデメリットです。
  • 発電設備の導入コストがかかる
    太陽光発電の設備をそろえるために、お金がかかります。金額も安いものでもないため、導入のハードルになってしまいがちです。しかし、近年で見ると金額も安くなりつつあったり、補助金などがあったりと、昔に比べると導入しやすくなりました。
  • 設置の仕方によって発電効率が大きく変わる
    どこにでも設置できるという太陽光発電ですが、発電効率は設置の仕方で変わります。発電量は日射量と関連するため、設置角度、向きなど様々な条件があります。
  • メンテナンス費用が掛かる
    比較的メンテナンスが必要ないといわれる太陽光発電ですが、メンテナンスが要らないわけではありません。また、耐久年数(例えば太陽光パネルは20年ほど)もあるため設備の交換も必要になります。

住宅用?産業用?太陽光発電の種類

太陽光発電は住宅用と非住宅用(事業用もしくは産業用とも言います)に分かれます。

住宅用太陽光発電とは

住宅用はシステム容量が10kW未満のことを言います。主に屋根の上に設置し、発電した電気は住宅で使用することができるのが住宅用太陽光発電です。余った電気は売ることができます。

産業用太陽光発電とは

法律では非住宅用、事業用と言われますが、よく耳にするのは産業用です。こちらは、大きな土地に太陽光発電設備を作り、発電した電気を売ることを目的としています。基本、発電したすべての電気を売る、全量売電ができます。(場合によっては使用することも可能です)

目的別にみる太陽光発電

次に太陽光発電を目的別にみてみましょう。よく太陽光発電を調べた時に出てくる目的は「投資」と「自家消費」です。

太陽光発電で投資?

発電した電気を売り、投資目的として収入を増やそうとする目的です。導入にお金のかかる太陽光発電ですが、定期的なメンテナンスを行えば人手をなくして収入を得ることが可能です。ただ、収入金額は買い取ってくれる電気の金額や発電状況によって変化するため、必ずプラスになるとは言えません。

太陽光発電と言ったら自家消費

住宅用太陽光発電の導入を考える方の目的はほとんどが、自家消費です。自家消費とは言葉の通り、電気を自分で発電し、使用することです。自分で発電した電気は無料のため、月々の電気代が安くなったり、災害や停電時にも発電していれば電気を使用したりできます。また、余った電気は売ることも可能です。

FIT制度って何?太陽光発電の売電

皆さんはFIT制度を知っていますか。この制度は、太陽光発電とかかわりの深い制度で、導入を考える場合には知っておかないといけません。

FIT制度とは

FIT制度とは固定買取価格制度とも言い、発電した電気を比較的高い金額での買い取りを保証してくれる制度です。この制度により、発電量次第で初期投資分を超える収益を得られるようになったため、太陽光発電の普及に大きな影響を与えました。近年では金額が低下傾向にありますが、導入コストも下がってきているため、十分制度の恩恵を受けられるようになっています。

卒FIT後はどうする

卒FITとはFIT制度の期間が終わった後のことを言います。FIT制度のような金額で電気を買い取ってもらうことはできませんが、電力会社に買い取ってもらったり、蓄電池を導入して自家消費に回したりと様々な選択肢があります。

以上、太陽光発電の解説でした。解説した内容はどれも、太陽光発電の導入を考える際に重要な内容です。太陽光発電の知識を深め、良い選択ができるようになりましょう。